書評レビュー東大生ブログ 右往左往 [書評]文系学問
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アフターマン:人類が消えた後の地球

ドゥーガル・ディクソン 著

驚異の進化、その予想図がここにある。

前著「フューチャ・イズ・ワイルド」に続く本書は、人類が絶滅した5000万年後の生態系を豊富なイラストとともに解説している。

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知性の構造

西部邁 著


驚きとともに畏怖の念を感じずにはいられない。

かくも巨大な知性が存在した事に。
こんな本が、日本で書かれていたという事実に。

そして感謝したい。
人生の遅からぬ時期に、本書と巡り合えたとてつもない幸運に。


本書は、思想家であり著名な論客である著者が、日本における知の堕落の現状を喝破した上で、知性とは何か、そして言語とは何かを、85点の図を用いて記述したものだ。


本書においては、まず、知や思考、価値についての構造化が行われ、それらは主に平面、立体上に図示される。そして、日本の一般人/知識人が抱えている問題をその図中で論じていく、という風に主張が展開されている。
考察の対象は多岐に渡り、学問や意味表現、文明の構造と、幅広く論じられている。


Amazonの商品ページでは、10件のレビュー中実に5人のベスト1000レビュアーがひしめき合っていて、あまり見た事がないような状況になっている。


恐らくは、読後感が人によってかなり違う類のものだろう。
一昔前の本なのでよく知らないが、多くの喧騒が巻き起こったかもしれない。
それぐらい、刺激的な内容。

確かに、知性の構造とは多次元的かつ多層的な絡まりを持つものであり、本書において用いられている2次元、3次元でのモデル化(図解)は無謀な試みだろう。その点に関しては議論の余地はない。

ただ、それでもこの難解なテーマに真正面から立ち向かった著者の試みは評価されて然るべきであり、その思索の中にこそ、知性とは何か、考えるとは何かを見出す事が出来た。
そして、その不格好さが垣間見える思索によって初めて、腑に落ちる説明がなされていると感じた。

本書は、言うまでもなく”著者の”知性の構造を表したものだが、いかにして思考するかについて、実に多くの事を学ぶ事が出来た。


許されるなら、星を7つほど付けたいところ。 (Amazon)


これまで積み上げてきた千以上の読書体験の中にあって、本書はひときわ輝いているように感じる。

難解な表現や哲学用語が乱れ飛んでいるので2割ほど理解できない部分があったが、これから幾度となく読み返す事になるのは間違いない。


日本もまだまだ捨てたもんじゃない。

知性の構造

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リアルタイム書評:フォークの歯はなぜ四本になったか

今日は、立った今読んでる途中の本の書評をしてみます。
全体の1/8ぐらいしか進んでない時点での感想はさぞかし的を射ていないに違いない。
もしこれと読了後の評価があんまり変わんなかったら、そもそも本とかほとんど読まなくてもよかったんだねって事で、”1/8読書術”っていうライフハックを世に出そうかと思ってます。

では早速。
「フォークの歯はなぜ四本になったか -実用品の進化論」
ヘンリー・ペトロフスキー 著
忠平美幸訳

デューク大学工学部で教授をしている著者による、モノの進化論の本。
数十年前に記された名著が、平凡社からこのたび文庫本で復刻した。

生物の進化について論じられる機会は多いが、非生物のそれが俎上に上る事は、意外なほど少ない。
本書は、実用品がなぜ現在のようなデザインになったのか、そこには何らかの規則性や必然性があるのか、という問いについて、豊富な例を交えて説明を試みている。(予想)

本書における著者の立場は一貫している。(予想)
”人間が加工してつくる道具やモノ、その形は、どうやって進化してきたのか-この問いに、要求される機能に沿って、と答えるのでは不十分。実用品の変化は、・・(中略)・・不具合や失敗の線を軸に歴史を刻んできた-”

不完全な部分は、完全な部分よりも何倍も目につく。
それゆえに、その不具合を克服するために実用品は進化してきた。
そこには、偉大な発明家はおろか、有能なデザイナーすら必要ない。
皆の不満を適切に感じ取り、地道に改良を重ねる職人がいればいい。
機能がデザインを定義するのではなく、不満がデザインを修正するのだ。
そう、著者は言う。

最近の例として、PCの文字入力方法がどのようにして今の形になったのかについての含蓄のある説明がとてもよかった。(絶対に書いてないだろうけど)

本書は、普段当たり前のように使っているモノたちが、どのような歴史をたどり、そしてどこに向かうのかについて一定の示唆を与えてくれる。
これらは、生物の進化、いやもとい人間の”成長”がどのようなメカニズムによってなされるかについての一連の命題群への回答すら暗示する。




さて、ここからが本題。

ではなぜ、本書を読み通して(ないけど)得られる納得感がこれほどまでに少ないのだろうか。

それは、著者がこのテーマについての最も大事な論点に対する説明を怠っているからだと思われる。(怠ってないのかな)

”非生物の進化に、統一的な法則が存在するのか”

少なくとも、
・必要な機能に引っ張られる
・不具合を修正する方向に進む
・発明家の存在
など本書で提示されている選択肢は、あまりにも低次のモデルであり、これらの複合的な要因によって進化するんじゃない?というつっこみが簡単に出来てしまう。

より高次のモデルの存在を仮定しなくてもいい理由の考察、
もしくは、現在の主張を支える思想的な基盤、前提についての詳細な説明。
本書には、これらが圧倒的に欠けているのだ。

この部分の議論なしには、どの選択肢が正しいかの話はできない。

世界に存在するすべてのモノからなる莫大なサンプルを有するこのテーマは、どんな主張にでも都合のいいデータを与えるだろう。
ある案の主張者にとって、別の案を棄却する事は簡単だし、自分の案をサポートすることも簡単だ。
そういう状況下で、上記前提についての考察(正解ではなく)無しに各論に進んでしまった事が、本書
の唯一であり致命的な欠陥だと思う。

総括して、45点。

フォークの歯はなぜ四本になったか 実用品の進化論 (平凡社ライブラリー)


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テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

書評 系統樹思考の世界

すべてはツリーとともに
三中信宏 著


本書は、進化生物学・生物系統学者の著者による、系統学の入門書である。

”歴史をいかに科学するか”という問いに貫かれている本書は、生物学を例にとり、また科学哲学全般における主要な論点や著者の実体験を踏まえて、系統樹の歴史とその位置付け、使用法について幅広く説明している。

本書の前半部分からは、深遠なる歴史の系譜と、それに対する広大なる形而上学的思索を見渡す事が出来る。

後半部分は、歴史の系統推定法として著者が提案するアブダクションの説明にページが割かれている。

話題に上るトピックスの範囲はかなり幅広く、様々な分野における系統樹の存在について多くの知見を得られる。

確かに、他のレビューにあるように系統推定についてはやや突っ込み方が足りないとは思う。
数式まで持ち出した割には、基本の「き」ぐらいでやめてしまった感がある。
エピローグで著者自身が語るように、論点が絞れていないとの批判も当てはまると言えよう。

しかし、全編を通して随所に垣間見える、この世界の眺めを愉しむ”科学者としての著者”の気持ちは、同じ科学に携わる者としては痛いほどわかるのである。
読者にも同様の楽しみを提示する姿勢は、一定の評価に値するのではないかと思う。

著者が意図する以上に、思考者としての著者自身から学べるものは多かった。

また、本書において系統樹思考と対置されている分類思考についての著書も合わせて読むと、より立体的にこの分野の奥行きが掴める。

本書のレベルに関して、あくまで系統推定本としての”入門書”であり、哲学的な考察については、平易な文とは言えないかもしれない。注意が必要。


関連記事:
書評 分類思考の世界
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書評 分類思考の世界

なぜヒトは万物を「種」に分けるのか
三中信宏 著

*2009's Most Favorite Book of Mine*

思考行為としての分類とは 
本書は、生物分類学者である著者による”分類”学の本である。

著者は言う。
個体識別における認知能力の限界から、我々人間は万物を分類する。
ヒトにとって、分類行為はなくてはならないものである、と。

では、
分類とは何か。
それぞれの個体をどうやって分類するのか。
そもそも、普遍的なカテゴリーは存在するのか。

著者は、分類学における主要な論点を多く挙げながら、人間の分類活動の系譜を丁寧に説明していく。
分類についての形而上学的な問いや実践論の考察を、例を交えレトリックを駆使して述べる本書には、人間の分類活動についての多くの知見が詰まっていた。

分類学の主要な議論についての著者の主張は明確ではないが、著者自身が言うように、まったくの素人でも分類学の全体像がかなりクリアに見えると思う。


専門書ではないが、自然科学と哲学の素養がないとかなり難解な内容だったのではないかと感じる。かなり歯ごたえがある一冊と言っていいだろう。

また、至る所に芸術や文学などのトピックが散らばっていて、これらをノイズと感じる人には読みずらいものになると思う。


ただ、それでもゆっくりと咀嚼しながら読み終えると、生物分類学を超えて分類という思考活動そのものについての考えが格段に深まった。
名著。


著者の他の本も早速買って読む事にした。




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書評 系統樹思考の世界
2009年ブック・オブ・ザ・イヤー決定!!
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テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

働かざるもの、飢えるべからず。

小飼弾 著

著名アルファブロガーである著者が、理想の社会構築に向けた提言を行っている。

著者の他の本は、内容が浅く抽象度も高い。恐らくは、特に考えることもなく書くことができたはずだ。読者にとって得られるものも多くはなかった。
しかし、本書に書かれている内容は、それらの本とは明らかに一線を画す。そこには、体系的にまとめあげられた良質な仮説があり、著者の頭のキレがしっかりと表れていたと思う。

本書での著者の主張は、ベーシックインカム+社会相続というシステムを作る、という事に尽きる。
ベーシックインカムとは、国民全員にそれぞれが最低限の生活を送れるぐらいの所得を配分し続ける、という制度であり、これによって貧困が存在しなくなると著者は言う。
そして、貧困層が無くなることで家計消費が押し上げられ、金の回りがよくなる。
では、その莫大な財源をどのように確保するのか。
その答えが、社会相続というわけだ。
相続を廃止し、すべての遺産を社会に還元する事で、財源を作り出す。

ここまでを聞いて、実行可能性についていくつかの疑問点が生まれるが、それに対しても、著者は丁寧に答えている。

上の主張において、本書では特にデータを押さえているわけではなく、あくまで仮説ではあるが、そこにはかなり大きな納得感があると思う。


本書の欠点は3つほどある。
1つは、著者の唱える社会が、必要最低限の労働力を担保できないという事。
全員が暮らせる程度の収入を与えられるなら、働かない人が多く出るだろう。
やりたい人だけやればいいというスタンスで、社会が機能するほどの労働力が得られるか、そこに著者の考えの甘さがあるように思う。
2つ目は、本書の主張を実行に移す方法については、ほとんど触れられていない事。
これを実行するためには価値観の大幅なパラダイムシフトが必要となるが、それを乗り越える事がいかに難しいかは想像に難くない。
最後の点は、本書後半の対談について、得られるものが少なかった事。
出版社が仏教系という事で差し込んだんだなーという感じが相当出ているこの対談は、別に本書でなくてもよかったのでは?と思わざるを得ない。

総括として星4つだが、一読に値する良書だと思う。



合わせて読む
空気を読むな、本を読め。
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テーマ : 文明・文化&思想
ジャンル : 学問・文化・芸術

右手に「論語」左手に「韓非子」

―現代をバランスよく生き抜くための方法

守屋洋 著


性善説に基づく「論語」と性悪説に基づく「韓非子」の中から40編ずつ名言を抜粋し、それについての著者の”感想”を述べている。

論語、韓非子どちらも原典を当たった事がない自分にとっては、おぼろげながら内容と空気感を把握することができ、ためになる言葉もいくつかあったので、自分と同じ初学者にとってはその点で有用な一冊であると思う。

ただ、上で書いたとおり、名言に続く著者の言葉は深い考察や十分な場面の説明を欠いており、感想の域を出ていないものだった。
本書の大部分を占める著者の記述の部分から得られるものは、現代語訳の部分しかないのではないか、そう思ってしまう。

また、論語と韓非子を対比しているならば、完全に前半と後半に分けて違うテーマを扱うのではなく、同じテーマに関して比較しながら進めていくというやり方で良かったのではないかと感じた。



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テーマ : 読んだ本。
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"水の流れの音と梢のそよぎに寝かしつけられるようにして、ぼくたちは眠りに落ち、そして、世界が若返った夢を見るのだ。"
- J 「ボートの三人男」
プロフィール

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本棚のアウトソーシングに成功しました。

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