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書評:東大の先生がハーバードで実践した人を動かす技術

本書は、東大大学院助教を経てハーバード大学で医療コミュニケーションを研究する著者が、コミュニケーションの力を最大限に発揮して人を動かす方法を説いた本である。


章見出し)
1.コミュニケーションで魔法をかけるために
2.言いたいことは明確か
3.相手は一体「誰」なのか
4.コミュニケーションの魔法をデザインする
5.ロジカルな文章術
6.ロジカルな図解術
7.ロジカルなプレゼン術
8.ロジカルな会議術

前半部分では、コミュニケーションとは何か、自分が本当に言いたい事を如何にして探り他人に届けるか、等についての本質的な記述を行っており、後半部分は実際に相手に何かを伝える場面における具体的な方法をまとめている。

全体を通して、日常生活における実例や行動科学の知見が多く引き合いに出されており、分かりやすい。また、抽象的な考察が具体的な行動に繋がるよう構成されており、その意味で非常に実践的な本であると言える。徹底的に相手の事を考えたコミュニケーションを行う姿勢が貫かれているのが印象的だった。

魔法のようなコミュニケーションには共感→驚き→変革という骨格が必要であるという事や、態度・規範・コントロール感の3つの視点で相手を分析する統合行動モデルなど、有益な論が多く展開されており、面白く読めた。

ただ、コミュニケーションの具体的な方法論に触れた後半部分においては、幾多の類書の要約の域を出ず、ビジネス書をそれなりに読む人にとっては特に示唆に富む記述が見られないだろう事が残念だった。この部分を深く知りたいと思った人は、マッキンゼー流図解の技術や考える技術・書く技術―問題解決力を伸ばすピラミッド原則などを読むと良いだろう。ここを浅く論じるなら前半の行動科学的な視点と絡めて類書と差別化した方がより良かったという点で、自分にとっては星1つ減。


総評として、他人を動かしたい人にとって学べる事は多く、読んでおいて損は無い一冊であると言える。

東大の先生がハーバードで実践した人を動かす技術
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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