書評レビュー東大生ブログ 右往左往 ボストン美術館展で学んだ絵画の見方<初級編>
QLOOKアクセス解析

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

他の東大生のブログは東大生の人気ブログ集 から

web拍手
本エントリーがほんの少しでもお役に立ったなら、クリックお願いします!↓
 

ボストン美術館展で学んだ絵画の見方<初級編>

六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリーで現在開催中のボストン美術館展に、遅ればせながら行ってきた。

「ボストン美術館展 西洋絵画の巨匠たち」
2010年4月17日(土)~6月20日(日)

こういう本格的な美術展にはあまり行ったことがないし、絵画に興味を持っていたわけでもなかった。
その興味の無さたるや、イタリアでいくつか行ったはずの有名美術館がどこのものだったかも、何を見たかも1ミリも思いだせないほどだ。世界的な名画がいくつもあったはずだが、右から左へ抜けていったのだろうw

だが、最近になって、なんとなく思うようになった。
絵をちゃんと見てみようかな、と。

今度やるオルセー展が話題になったのに触発されたこともあり、行ってみた。

世界屈指のコレクションを持つボストン美術館から来た、40数人の画家の名画80点がずらりと並ぶ。
絵画ド初心者の自分でも知っているようなモネ、ルノワールなど印象派の画家の作品が多く、肖像画から風景画、宗教画まで幅広く展示してあった。


さて、ここで問題が発生する。
なにせ、全くの素人である。
これだけの名画が勢揃いしていても、どうやって見ればいいのかがわからない。
その良さを理解し、十分に咀嚼するための知識も方法論も持ち合わせていない。

「ふーん、なんかダイナミックだねー」
「こういうのは嫌いじゃないよ」

こんなのしか言えないんでは、ダメである。
数々の美術展を渡り歩いてきた百戦錬磨の観衆達になめられること請け合いだ。
「あの人かわいそう。家でテレビでも見てればいいのに。」と影で笑われても仕方が無いというものだ。


まぁどんな感じか全く分からないモノに対して予習しても仕方ないので、とりあえず行ってみて考えることにした。

美術展に入ってからは、それはもう五感を最大限に研ぎ澄まし、必要な情報をすべて吸収・再構成する事に努め、なんとかまともな見方ができるように考え続けた。

絵を見るよりもまず解説を熟読し、周囲の人の評論に耳を澄まし、使われている用語や批評の論理展開をつぶさに観察した。

絵の前で考え込むように立ちつくし、必要に応じて訳ありげに頷いてみた。


そんな涙ぐましい努力を続けた末、ある結論にたどり着いた。

絵を見るのは面白い。そして自分の観客レベルは0から35ぐらいまで上がった。


つまり、絵画を楽しむために必要な事のいくつかを学ぶことができたのだ。

ざっと箇条書きにすると、

知っておくべき知識
・画家の出生とその人生
・その時代を覆っていた基本概念(宗教含む)
労働の捉え方などは重要だったみたいだ。ミレーの「馬鈴薯植え」が書かれた背景にはアダム・スミスが強く関わっているように感じた。
・それが書かれた時期の絵画界のトレンド(流行り廃り)

見るべきポイント
・色遣い
・全体の構図
・明暗(光の使い方)
・筆遣い
・直線/曲線の使い方

etc...

手っ取り早くわかってる風の事を言おうと思ったら、このどれかについて言及すればよい。

「ここで白を強調しているあたり、中世のプロテスタンティズムの名残が見られるよね~」

ほら、さっきより大分ましになっただろう。
中身があるかどうかはもっと後の段階で考えればいい。


まぁ、平素から絵画を嗜む人から見れば、こんなの当たり前と思うだろうし、本質を捉えていないと思うかもしれない。

ただ、考えてみて欲しい。
右も左もわからない未知の世界で、「右」なるものと「左」なるものが存在するという事実を知る事がどれだけ大変な事かを。現時点で捉えているものは「右斜め上」かもしれない。ただ、それすらも未知の世界では重要な判断基準となるのだ。
ある”構造”を認識し、世界を相対化する事がまず大事ではないだろうか。
結局そういうことなんだよ。
結論の意味がよくわからん


最後に、心に残った作品を幾つか紹介したい。
図らずも、すべての作品がモネであった。

Valley of the Petite Creuse
Valley of the Petite Creuse
最も感銘を受けたもの。そんなに有名じゃないし、他人とはツボが異なると思うが。
画像だと見にくいけど、驚くほど細部まで完全に作り込まれている。
クリエイターとしての気迫、信念に圧倒される。


Fisherman's Cottage on the Cliffs at Varengeville
Fisherman's Cottage on the Cliffs at Varengeville


Antibes, Afternoon Effect
Antibes, Afternoon Effect


オルセー美術館展にも必ず行く事を心に決めた。



実際、絵を見たいけど見方がわからないって人はかなり多くいるんじゃないだろうか。
体系的な方法論があるとなしとでは全く面白さが違うと思うんだけど、芸術の分野ってあんまりそういうのないよね。そんな事を言うのは野暮って感じなんだろうか。言語化できないとでも思っているのだろうか。

「サルでもわかる絵画の見方入門」なんて本があったら絶対に買うと思う。

本書の出版を強く望む。
関連記事

他の東大生のブログは東大生の人気ブログ集 から

web拍手
本エントリーがほんの少しでもお役に立ったなら、クリックお願いします!↓
 

テーマ : 日記
ジャンル : 日記

コメントの投稿

非公開コメント

No title

私もあまり絵はみないのでよくわからないです。
どの評価基準で判断すればいいんだと途方にくれたりなんかしてました。まあ実際こういったものは評価基準がいくつもあったりするものですが!

No title

>とらさん

自分もまともに見たのはこれが初めてですが、色々と面白い気付きがあって良かったと思います。
全てを吸収しようとして情報を拾っていけば、何がしかはわかるものです。

自分の興味の幅を広げていく事はとても重要なので、全く興味が無いものこそ、機会があれば是非。
純粋に心に響く絵もありますよ。
"水の流れの音と梢のそよぎに寝かしつけられるようにして、ぼくたちは眠りに落ち、そして、世界が若返った夢を見るのだ。"
- J 「ボートの三人男」
プロフィール

yack

本棚のアウトソーシングに成功しました。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
Lc.ツリータグリスト
検索フォーム
FC2カウンター
RSSリンクの表示
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。