書評レビュー東大生ブログ 右往左往 競争均衡理論 - アメリカのプロスポーツの仕組み
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競争均衡理論 - アメリカのプロスポーツの仕組み

以下、引用はすべて、フェラン・ソリアーノ「ゴールは偶然の産物ではない -FCバルセロナ流 世界最強マネジメント」より。

競争均衡理論



アメリカのプロスポーツ界は競争均衡理論に基づいている。
この理論によると、観客の関心によって発生する収益は試合結果の不確実性に比例し、競合するチームの力が近ければ近いほど試合結果の予測は難しく不確実性が上昇する。そして不確実性が一般の関心を呼び、試合が生み出す収益を最大化するのである。



つまり、強さが突出するチームを作らない事で観客はいつもハラハラして試合を観戦出来るから、そっちのが盛り上がるよねって事。

野球、NBA、NHL、NFLなどのアメリカの主要スポーツでは、そういう前提に基づいて、色々な制度が組まれているらしい。


なるほど。良く考えられてるね。

そして、
MLS(=メジャー・リーグ・サッカー)を例にとると、

基本的な取り組みは以下の3つである。
(1)ドラフト
(2)サラリーキャップ制度
(3)収益への平等な参加



(1)は、昨シーズン最下位だったチームから優先的に選手の指名が出来るようになっている。
(2)は、選手・チーム全体での給与の上限を定める制度。これにより、金持ちのチームによる選手の引き抜き、業界としての給与水準の上昇が抑えられる。
(3)は、テレビ放映権等の試合から発生する収益をMLSの統括団体が管理し、各チームに平等に配分する。


結構ガッチガチだよね。

こういう事が、あの世界最高峰のMLBなんかでも行われてるってのにびっくりする。


ふーん。

ってかこれって、、、、


談合、じゃね?


業界全体でグルになって価格を高止まりさせるっていう、アレじゃね??



つまり、観客としては、強いチームが見れないって事だよね。

観客が不利益を被ってるよね。


良く考えられてはいるけど、その前提が本当に正しいのか?って部分がいくつもある。

競争均衡モデルが持つ欠点




たぶん、この仕組みの奥底にあるのは、こんな前提だと思う。

”アメリカは一番である”
ゆえに、
”リーグ全体の強さの底上げをする必要はない”


競争均衡理論を取り入れるにあたってのデメリットは、恐らく2つ。
1.リーグ全体の強さの底上げが行われない
2.突出したチームが育たない



1において、アメリカには世界で屈指のリーグを有しているというおごりがあるんだろう。
先ほどの例でも、野球、NBA、NHL、NFLは、確実に世界一のレベルだろう。
なので、日本みたいに、サッカー好きがwowwowを契約してスペインリーグを見る、みたいな収益の流出が起こらないと思っている。

ただ、将来起こりえる他国のリーグとの競争への対応が出来ないのは当然として、このモデルの大きな問題は、これから成長して世界と伍していくハイレベルなリーグを作れない、と言う事。
サッカーはその良い例。
アメリカのサッカーが世界からシカトされ続ける原因の一部もそこにあるんじゃないだろうか。


2においては、そもそもチーム力の均衡が収益の最大化を生むのかが疑問ってのがある。
やっぱり人って強いチームを見たいんじゃないの?
メジャーで人気あるのもRed SoxだとかYankeesだったりするんじゃないの?

1と同じで、やっぱりアメリカが一番っていう前提に基づいているところに大きな間違いがあるんじゃないかと思う。

また、海外から稼ぐっていう方向性は、このやり方では難しいように思う。
例えば、FCバルセロナは、自国以外から多くの収益を上げるチーム。マンUもそう。
その理由は、すごく強いから。ものすごく。
国内で圧倒してて、世界でも圧倒的に強いから、世界中の皆が見たいと思う。

競争均衡理論に基づくと、世界的に突出した強さのチームは作りにくい。
自国の収益は最大化できるかもしれないけど、それが世界的な最大化とは限らない。
顧客の定義をもっと広く取れば、この戦略はあり得ない。


なんにしろ、この仕組みは完全に今の地位に胡坐をかいてるやり方に見えてしまう。
それで将来失敗するパターン。

なんかこう、アメリカっぽいよねw
そういうと元も子もないが。


ちなみに、本書(引用元)においては、著者はこの仕組みを「サッカーでは使えない」と一蹴している。


それでも重要なあれこれ



でも、このケースを見て、凄く感心した。

ちゃんと考えてるんだ、って。

顧客が金を落とすメカニズムをモデル化し、その中で経験則から最適と思える前提を置いて、それに基づいて戦略を決める。

ザ・マネジメント。

日本って、こういうのちゃんと考えてるのかな。

少なくとも、その形跡は見られないけど。


良い部分は良い部分として吸収したいものだね。


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ゴールは偶然の産物ではない
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No title

その発想自体は全然アリなんじゃないかと思いながら読んでしまいました。。でもかなり閉鎖的ですね。それにサラリーに制限があるとモチベーション的にも悪影響ありますもんね。

No title

>とらさん
そうですね。
仕組みとしてはしっかりと構築されていて、有用なものだと思います。

ただ、これが常に機能する仕組みだとは思わないし、個人的には飛びぬけて強いチームを見たいタイプなので引っかかった、といった感じです。
"水の流れの音と梢のそよぎに寝かしつけられるようにして、ぼくたちは眠りに落ち、そして、世界が若返った夢を見るのだ。"
- J 「ボートの三人男」
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