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リアルタイム書評:フォークの歯はなぜ四本になったか

今日は、立った今読んでる途中の本の書評をしてみます。
全体の1/8ぐらいしか進んでない時点での感想はさぞかし的を射ていないに違いない。
もしこれと読了後の評価があんまり変わんなかったら、そもそも本とかほとんど読まなくてもよかったんだねって事で、”1/8読書術”っていうライフハックを世に出そうかと思ってます。

では早速。
「フォークの歯はなぜ四本になったか -実用品の進化論」
ヘンリー・ペトロフスキー 著
忠平美幸訳

デューク大学工学部で教授をしている著者による、モノの進化論の本。
数十年前に記された名著が、平凡社からこのたび文庫本で復刻した。

生物の進化について論じられる機会は多いが、非生物のそれが俎上に上る事は、意外なほど少ない。
本書は、実用品がなぜ現在のようなデザインになったのか、そこには何らかの規則性や必然性があるのか、という問いについて、豊富な例を交えて説明を試みている。(予想)

本書における著者の立場は一貫している。(予想)
”人間が加工してつくる道具やモノ、その形は、どうやって進化してきたのか-この問いに、要求される機能に沿って、と答えるのでは不十分。実用品の変化は、・・(中略)・・不具合や失敗の線を軸に歴史を刻んできた-”

不完全な部分は、完全な部分よりも何倍も目につく。
それゆえに、その不具合を克服するために実用品は進化してきた。
そこには、偉大な発明家はおろか、有能なデザイナーすら必要ない。
皆の不満を適切に感じ取り、地道に改良を重ねる職人がいればいい。
機能がデザインを定義するのではなく、不満がデザインを修正するのだ。
そう、著者は言う。

最近の例として、PCの文字入力方法がどのようにして今の形になったのかについての含蓄のある説明がとてもよかった。(絶対に書いてないだろうけど)

本書は、普段当たり前のように使っているモノたちが、どのような歴史をたどり、そしてどこに向かうのかについて一定の示唆を与えてくれる。
これらは、生物の進化、いやもとい人間の”成長”がどのようなメカニズムによってなされるかについての一連の命題群への回答すら暗示する。




さて、ここからが本題。

ではなぜ、本書を読み通して(ないけど)得られる納得感がこれほどまでに少ないのだろうか。

それは、著者がこのテーマについての最も大事な論点に対する説明を怠っているからだと思われる。(怠ってないのかな)

”非生物の進化に、統一的な法則が存在するのか”

少なくとも、
・必要な機能に引っ張られる
・不具合を修正する方向に進む
・発明家の存在
など本書で提示されている選択肢は、あまりにも低次のモデルであり、これらの複合的な要因によって進化するんじゃない?というつっこみが簡単に出来てしまう。

より高次のモデルの存在を仮定しなくてもいい理由の考察、
もしくは、現在の主張を支える思想的な基盤、前提についての詳細な説明。
本書には、これらが圧倒的に欠けているのだ。

この部分の議論なしには、どの選択肢が正しいかの話はできない。

世界に存在するすべてのモノからなる莫大なサンプルを有するこのテーマは、どんな主張にでも都合のいいデータを与えるだろう。
ある案の主張者にとって、別の案を棄却する事は簡単だし、自分の案をサポートすることも簡単だ。
そういう状況下で、上記前提についての考察(正解ではなく)無しに各論に進んでしまった事が、本書
の唯一であり致命的な欠陥だと思う。

総括して、45点。

フォークの歯はなぜ四本になったか 実用品の進化論 (平凡社ライブラリー)

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テーマ : 最近読んだ本
ジャンル : 本・雑誌

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