書評レビュー東大生ブログ 右往左往 書評:★★★★★
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20歳の時に知っておきたかったこと

-スタンフォード大学 集中講義
Tina Seeling 著  高遠裕子 訳

ここ数日、書こう書こうと思いながら書評を出来ずにいた。
もうすでに巷で話題となっているのだが、噂に違わぬ良書。

本書は、米スタンフォード大学のアントレプレナーシップに関する講義で教鞭をとる著者が、自分の息子に捧げる言葉という形で書かれたもの。

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書評 - ジム・クレイマーの株式投資大作戦

ジム・クレイマー 著
井手正介・吉川絵美 訳

久々の再読。
投資に携わる者として、節目には必ず本書に立ち返る。
それだけの価値がある。

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聖地巡礼 - 書評「方法序説」

デカルト 著 谷川多佳子 訳
岩波文庫

本書は、デカルトが41歳の時に初めて公刊した著作の序文である。
著作全体の正式なタイトルは「理性を正しき導き、学問において真理を探求するための方法の話。加えて、その方法の試みである屈折光学、気象学、幾何学」であり、3編の論文集となっている。

本書「方法序説」を含むデカルトの一連の著書は、それが書かれてから現在に至るまでの長きにわたって、哲学・科学の発展に大きな影響を与えてきた。
理性をいかに導くか、真実を求めてどのように思索するか、本書には彼の試みの系譜が書かれている。

我思う、ゆえに我あり

おそらく哲学史上もっとも有名な一節であるこの言葉は、彼の至った悟りであり、近代哲学の出発点でもあった。


この言葉だけ知っているという人も多いのではないかと思うが、その思う我が存在する事を起点としてどういう風に論理展開がなされているかを知る人となると、その数はぐっと少なくなると思う。

彼はその主張の中継点をキリスト教的観念論に求めた。
事物の本質の疑いえない存在。完全者としての神の助力。

もちろん、現代に生きる我々からすれば、そのスタンスを一笑に付す事はたやすい。
そして、現代の科学についての常識を多少なりとも持っていれば、その主張を冷静な目で見てしまう事は避けがたいことであろう。

ただ、曖昧で謎めいたものとなり下がっていた哲学を、幾何学を用いてゼロから築き直そうとしたその信念と堅牢な論理展開は、お見事という他に適切な言葉が見つからないほど”完成”されているのだ。

500年も前に出された哲学書をレビューするのは難しい。
専門家ではなく、かつ現代の色々な知識にまみれた自分では、とても的を射た批評はできないと思う。
なので、具体的な内容にはあえてほとんど触れていない。実際に手にとって確かめてみると言い。

ただ、本書がこれほどまで長きにわたって参照される理由は理解できた。
その思考の圧力に圧倒され、後ずさる訳ではない。そういう類の書ではない。
それは、完成された芸術を見るような、静かな感心なのだ。


彼が現代にいたなら、今の学問のあり方を見て何を思うのだろうか。


方法序説 (岩波文庫)

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書評:1Q84 BOOK3

村上春樹 著

BOOK1・BOOK2の発売から約一年、物語は結末を迎えた。

本書では、天吾、青豆に加えて牛河にも独立した章が与えられている。
牛河の追跡の手が迫っていく中で、幾つもの謎がゆっくりと解かれていく。

1年前から意図されていたかは知る由もないが、本書は紛れもなく要請されたエンディングであり、作られた最終章である。
その点で、”終わらせる”事が強烈に意識され、それゆえ綺麗にまとまっていると感じた。
第2巻までの期待値を大きく振り切るような展開はない。物足りなさを感じる人もいるだろう。

ただ、そこには完成された村上春樹の世界があり、他の著作には無いリアリズムと温かさがあった。牛河の物語が加わった事で、全体の抑揚とバランスが格段に上がった印象。
また、2冊目で一度分断されたからこそ見ることができる質の高さがあった。
3冊を一気に読み切っていたら、恐らく星は4つだった。

発売日に読んでそのまま売ってしまった1・2巻を買い直す事は、無いだろう。
それでもこのBOOK3だけは本棚に残しておこうと思った。

※BOOK1、BOOK2のレビューはしていないので悪しからず


1Q84 BOOK 3


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トルストイ「人生論」 -幸福への止揚

人生論 (新潮文庫)
トルストイ 著

ひさしぶりに読んだ。
自分とは意見が異なり、それでもなお一生本棚に残るであろう本を。


「人生」論というより「生命と幸福」論というタイトルが合っている本書は、ロシア文学の巨匠である著者による、人間がいかにして幸福に生きるかを説いた論考集。

”動物的個我において一時の快楽を追究しても虚しさが残るだけであり、人間が本来知っている理性的意識に従って、自分以外のすべての幸福を願う事で真の幸福を得ることができる。
動物的な生には時間的制約があるが、理性的存在は時間・空間的な生を超えて生き続ける。”

本書の論旨はこれに尽きる。
この主張を、手を変え品を変え説明し続けるという紙面構成となっている。

「他人や社会に尽くす事が本当の幸福だ」というような言説はよく目にするが、本書はこれらの薄っぺらい論を超えて本質を語る。


動物的な自我が持つ欲求を満たす事で得られるのは、決して持続的な幸福ではなく、死への恐怖から逃れられるものでもない。
真の生命は、時間的・空間的に認識されるものではなく、より上位の次元に現れる。真の生命が持つ理性に従って、その唯一でかつ完全な活動である「愛」を実践する事で、真の幸福にたどり着ける。
そのための道具として、動物的個我を従属させることこそ、人間が目指すべき道である。
こう、著者は言う。


堅牢な論理展開と深く鋭い洞察によって真の幸福とは何かを説く著者に、その尽くされた言葉に、圧倒される。

そして、だからこそ精一杯の意志を持って、こう唱えたくなる。

それが真の幸福であれば、そんなものクソ食らえだ、と。


動物的本能に従って生きる事が全く儚い灯であっても、その行動が刹那の快楽しか持ちえないとしても、それしか知らぬ動物もいるのだ。
生まれた瞬間からすこしずつ死んでいく事実を認め、それでもなお瞬間瞬間の快楽の中に時空を超えた幸福を見る動物もいるのだ。


好きな言葉がある。


社会や私生活の事情で、
多くの人は日々の享楽をあきらめてしまう。
日々の営みを軽んじ、一生を精神論や人生論という
五感とは関係ない理論でとらえようとする。
でも、日々にすべての事は起こり、
日々の“いつか”に人生の終わりはくる。
金は使わなければ貯まるが、
時は使わなければ消え去り貯めることはできない。

森永博志(エディター)



結局、知覚でき、認識できる世界にしか住む事は出来ないんだと思う。


思想は言葉で為され、言葉は確実に時間軸を持つ。
永遠の生の前提として死してなお人々に覚えられるためには、空間的・時間的な伝達ネットワークという、言うまでもない物理モデルを用いる。
そう、彼が超越しようとした、従属させようとした時空間は、決して越えられない壁となって高次元の幸福の前に立ち現れる。

それなしには幸福なんてとっても成り立たない。


圧倒的なリアルの中に、永遠を見ることができる。そんな感覚を我々は持っているはずだ。
生得的に。
理性よりも自明なものとして。



なんにしろ、幸福論についてのアンチテーゼとして非常にためになった。
自分がどんなスタンスを取るかに拠らず、必読の書であることには間違いはない。


一点だけ、自らが持つ生得的な理性をいかにして喚起するかについて、本書では全く触れられていなかった。それが引っかかる自分は”ゆとり”なんだろうか・・・


訳が非常に良く、なめらかな文体で記述されていたので、とても読みやすかった。
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"水の流れの音と梢のそよぎに寝かしつけられるようにして、ぼくたちは眠りに落ち、そして、世界が若返った夢を見るのだ。"
- J 「ボートの三人男」
プロフィール

yack

本棚のアウトソーシングに成功しました。

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